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1,危機管理という言葉について
 「危機管理」と言う言葉は本来軍事用語であり、核戦争の様な壊滅的危機を回避するために
使われているのは言うまでもありません。しかしこの発想は行政や企業などでも使われるように
なってきています。始めて学校で危機管理の発想が使われたのは、湾岸危機の折りのイラク日
本人学校の安全管理問題と言われています。阪神・淡路の大震災を経てこの言葉は一層身近
なものになってきていると言えます。危機という用語が本来クライシスであり、切羽詰まった危険
な状況を指しているものです。しかし、学校における危機管理が言われる時、危機の範囲は日
常的に発生する事故を含むものであるのはよく聞くところであり、このレポ−トでは以下のように
考えています。
 学校事務を遂行していく上で発生する、あるいは発生が予測される危険性に対して、組織的
であると同時に機能的に対応すること。それが学校事務職員にとっての危機管理と私達は考え
ています。

2,石狩の研究の中での位置づけ
 石狩では「職務確立」のための継続研究として昭和56年度に「三点の仮説と8項目の実践課
題」を設定して取り組んできています。
三点の仮説と8項目の実践課題の設定
1 事務職員の仕事の中心(本務領域)は市町村経理である。            
 A自治体予算要望活動<要望書の作成・要望委員会への参画>           
 B教育費の負担軽減化                             
 C校内の民主的予算配分                            
2 事務職員の仕事は教育との関わりを離れては成り立たないものである。      
 D教材購入における教育課程との関連                      
3 事務職員の仕事で整備されなければならないのは、委任・依頼を受けた事務である。
 E法定外控除                                 
 F就学援助事務                                
 G給食事務                                  
 H個人申請に関わる事務                            
 この具体化として、56年から財政財務活動に焦点を当てた研究を行ってきました。財政財務
の研究について管内的な一定の成果をみた後、研究成果の一つである「事務機能」(財政財務
活動を活性化するための手段)を取り上げて、財政財務以外の分野で活用する実践に取り組ん
できました。事務機能の研究は管内的な共通理解には至りませんでしたが、ここから「三点8項
目」の二点目を基本的観点として、財政財務活動以外の本務を探る研究に着手することにしま
した。様々な論議を経て、「情報」を正面に据えての研究を開始しました。研究の手法は仮説を
設定し、実践課題を設け具体的実践を積み重ねることで仮説の正否を探る取り組みです。
仮 説  学校に存在する情報(知識・デ−タ)を取り扱うのは事務職員の仕事である。
実践課題 @事務職員が主体的に情報を集め企画することによって学校における身近な 
      な課題を解決する。                         
     A情報公開条例・個人情報保護条例の制定にともない校内の文書管理を見直 
      す。                                
     B情報機器としてのコンピュ−タ−の活用を考える。           

3,なぜ「危機管理」を研究テ−マとしたか
 石狩の実践課題を受けて千歳市でも研究を始めました。実践課題の@として「危機管理」、A
として「情報公開制度と学校について」をテ−マとして取り組むことにしました。その内、本レポ−
トでは危機管理について報告します。この研究の契機となったのは、1994年、給食費搬送中に
発生した金銭の被害を受ける事故でした。直接給食費が被害を受けたのではなかったのです
が、搬送業務さえなければ発生しえないものでした。この事故から私達は現金搬送業務のある
処、いつでもどこでも同じ様なことが起こる可能性が充分あることを教訓として学びました。ま
た、この認識は一人事務職員のみのものではなく、校長会もやはり同様な認識を持つに至って
いました。その根拠として、1996年に校長会から給食センタ−へ以下のような申し入れがなさ
れています。「学校で集金した給食費を振り込むための手数料を負担して欲しい。その財源とし
て給食費の事務補助賃金を返上する。」と言うものでした。
 これを受けて給食センタ−では、1997年の「給食事務担当者会議」で同様の提案を行いまし
た。この話は事務職員にとって初耳であり、とうてい聞き流すことはできないのは当然であり、こ
の提案は保留となりました。千歳市の事務補助の業務は学校毎に相違はありますが、給食費の
振り込みばかりでなく、台帳の消し込み、督促状の作成など多岐に渡っているものです。私達は
金銭事故とその後の給食センタ−の提案から、給食費の問題に直面することとなりました。

4,経過  
 a、1997年度の取り組み              
 金銭事故を防ぐ一方で、事務補助賃金は削ることはできない。この二つを統一的に解決する
方法を私達は、「給食費のセンタ−への直接払い」に求めることにしました。千歳市公立小中学
校事務職員協議会(千事協)は、どの様にしてこの課題を具体化するか研究部で検討を始めま
した。検討の中から、この給食費の課題は石狩の「三点8項目」の三点目に当たる課題であり、
実践課題の@でもあることから、石狩の職務確立の研究の流を汲むものであり、単なる事務改
善とは一線を画して研究を進めることが確認されました。その観点から見るなら三点目の課題
は他にもあり、それらを含めて研究課題として取り扱って行くことになりました。その他の課題と
は  
@就学援助費の保護者への直接払い。
A支出負担行為の見積もり合わせの金額の改訂 
の二つです。就学援助費については千事協として市教委に数十年に亘り要望し、1997年には
実施する確約までとりながら、市教委側の都合で実施されずにいました。また、支出負担行為は
市の見積もり合わせの金額が改訂されたにも関わらず、学校の経理関係はそのままとなってい
ました。この3点を解決すべき課題として設定し、課題解決のための手段として、以下のように確
認しました。
 1,千事協が中心となって進めるが、この課題は事務職員だけの問題ではなく学校全体に関
  わる問題であること。
 2,勤務条件にも関わることであるので、北教組千歳支会と同事務職員部の全面的な協力を
  得ること。
 3,会員でない事務職員及び未配置校については千事協で協力を要請すること。
 4,3つの課題への取り組み方は基本的には同一であるが、相違もあることから柔軟な対応を
  すること。
 この問題は千事協だけで解決するには困難が多く、また学校の問題であることから、千事協
だけで解決すべきではないと考えた結果です。そこで学校・千事協・組合や校長会などの機関と
の連携の取り方について何種類かのル−トを想定しました。
・課題解決のための方途
事務職員 校長 校長 市教委
  
  
             教育長(交渉)
                    
     
千歳支会事務職員部千歳支会
                       

分会        
千歳市公立事務職員協議会
 さて、先の給食担当者会議で保留になっていた件について給食センタ−との話し合いが、校
長会・千事協の出席で開催され、センタ−としての回答が出されました。
1,学校で収納した給食費の振込手数料はセンタ−が負担する方向で検討する。
2,事務補助賃金は廃止しない。
3,保護者から給食センタ−への直接払いについては意図は理解するが、財政的に困難。
4,保護者から校長口座への口座振込手数料の公費負担は民事上の制約を受けるため無理。
 上記4点の回答を受けて千事協ではこの問題を解決するために検討を行いました。何よりも
まず各校バラバラな扱いになっている給食費の取り扱いについての実態調査を行い、しなけれ
ばならないこと、できることを明確にすることにしました。調査結果は、     
・納入の方法について
 ・郵便局振替  6校   ・民間金融機関振替   14校
 ・現金納入   5校
・給食費のセンタ−への搬送方法は
 ・金融機関の無料搬送  16校
 ・振込         1校(手数料免除)
 ・現金搬送       8校
これからいくつかのことが明らかになりました。まず、振込手数料がかかるのは郵便局のみであ
ること。金融機関間で現金の搬送を行っているのも郵便局扱いの学校であることが分かりまし
た。更にこの調査結果から、給食費の取り扱いから生じる危険性は現金搬送のみにあるのでは
ないと言う意見が多く寄せられたため、この点について再調査を行いました。結果を整理すると
 1,保護者から納入された給食費を給食センタ−へ納入する際に発生する危険性。
 2,事務処理上の過誤
この2点はどちらも危険な業務と言うよりは、業務から発生する危険性と言えます。これら二つ
の調査の結果から具体的な取り組みを決定しました。
1,保護者口座からセンタ−長口座への直接払いは、財政的な問題が解決されれば可能である
 ので、ねばり強く要望していく。
2,現金搬送の回避は緊急を要する課題として手立てを給食センタ−と詰めていく。
3,支出負担行為・就学援助に関することで教育委員会と話し合いを持つ。
4,現金納入の学校はできるだけ口座振替に切り替える。
 夏休み後、郵便局の現金搬送については郵便局にセンタ−長口座を設けることで解決が図ら
れました。とりあえず現金搬送が解消されたことで、給食センタ−・校長会は全ての問題が終了
したものと見なしていました。しかし調査結果にもあるように危険性は他にもあると考えていまし
た。話し合いの継続は欠かせないものであり、そのために組合の力を借りることにしました。千
事協として協力を要請したい内容を2点について組合に提案しました。
1、勤務条件を課題とする教育長交渉を持ってもらいたい。内容は事務処理に関わる担当者の
 負担及び児童生徒のプライバシ−保護の2点。千事協としてはそのための要望書の作成を行
 う。(資料1)
2,この問題が事務職員だけのものでないことを啓蒙するために分会学習会に取り組んで欲し
 い。よりよい理解のために資料を作成して欲しい。(資料2)
3,この問題解決のための4機関(市教委・校長会・組合・千事協)の設定。
 組合への申し入れと同時に、千事協としても事務職員が主体的に自校の状況を校長に説明し
協力を得る取り組みを展開することにしました。研究部としてはその一助として「申入書」を作成
しました。
 教育長交渉の成果から4機関会議が開催され、市教委から部長・次長・センタ−長、校長会
から事務局長・次長、組合から書記長・事務職員部長、千事協から事務局長・研究部長が出席
しました。事務職員が抱える問題でこれらのメンバ−が一堂に会することは画期的なことである
と言えます。この会議で以下の結論がなされました。
1,郵便局にセンタ−長口座の開設と、郵便局間の振込手数料のセンタ−負担。 
2,民間金融機関で振込手数料が請求されるような場合には、協議する。
3,保護者からの直接納入については検討課題とする。
 これは緊急を要する課題の解決が行われると同時に、直接納入への話し合いの余地を残す
もので、充分に評価できるものです。その後の実務的な詰めの作業はセンタ−長と千事協が担
当することも確認されました。
 このように学校全体の問題として扱うことはできましたが、この給食費問題にはもう一方の当
事者がいます。それは保護者です。どの金融機関からでも給食費が納入できるようにして欲し
い、こんな要望が保護者の側から出されていた学校もあり、PTAの問題として取り組むことが出
来ないか検討しました。幸いなことに千歳には「予算要望委員会」があり、市P連はその構成団
体の一つになっています。さっそく予算要望書に「給食費をどこからでも支払えるように」と記載
する取り組みに取りかかることにしました。しかし、予算要望委員会の性格や目的にこの要望が
合致するかどうか、確信が持てなかったため予算要望委員会事務局と検討しました。その結果
可能ではないかの判断をし、各単Pから要望を上げることにしました。各学校事務職員はPTA
の会議で提案して貰うことに取り組むことにしました。しかしこの取り組みは充分な成果を上げる
ことができせんでした。その要因として
1,PTAに対する事務職員の関わりが学校毎に格差があり、提出が困難なところもあった。
2,予算要望という手段が果たして有効かどうか、研究部も確信が持てなく、そのために最後ま
 で追求できなかった。
 しかし、今回はうまく行ませんでしたが、この方法は課題によっては問題を解決し得る有効な
手立てになる可能性を秘めていると思います。保護者の要望も含めた形で学校の問題を解決す
る方法は今後重要になっていくことだろうと思います。
 さて、この取り組みの一方で郵便局の振替の方法について具体的に話し合いを進めました。
この中で決定しなければならないことがありました。選択肢が二つ
 @保護者口座(給食費・教材費等)・・・校長口座・・・センタ長−口座
 A保護者口座(給食費)・・・センタ−長口座
  保護者口座(教材費等)・・・校長口座
つまり、給食費を一度校長の口座に入れてからセンタ−に払うか、校長口座を経由せずに直接
センタ−長口座へ入れるかの、選択でした。@案のメリットは手数料が少なくて済むこと。A案は
センタ−長口座への直接払いの足がかりとなるものでした。この選択に当たって、私達が何を目
指してきたのか、それを確認し結論への手がかりとしました。
 つまり、私達は給食センタ−に直接払いを実施せよと要望し、その実現に協力し、段階的に実
現に向けて実践する立場をとっていること。給食センタ−は設置者としての責任はあるが、全て
を給食センタ−に委ねた場合実現への道のりが遠くなるばかりでなく、話し合いさえ拒否される
可能性があること。この二つを考え合わせると、口座を一本とするのか二本とする(二分化案)
かは、将来に亘る重大な岐路であると判断しました。これについて、千事協内部で緊急に話し合
いをもち、二分化案が直接払いを実現するためのワンステップであることが確認され、該当校事
務職員も二分化案を自校へ持ち帰るのに意欲を示してくれました。自校で検討の結果、該当校
5校の全てで二分化案が採用され、現金納入校2校も次年度から二分化案、郵便局扱いで実施
することになりました。
 1997年度の経過について最後に残る二つの課題、支出負担行為と就学援助について触れ
ておきます。この2点についても教育長交渉・千事協による要請を行ってきていました。その結
果、98年3月末見積もり合わせが必要な金額を3万から5万に改訂する通知がなされました。
市の財務規則の改訂に遅れること数年にして、要望が稔りました。
 一方、就学援助費については相変わらず「事務処理能力の点で実施不能」との説明に終始し
てこの年度は終りました。
b.1998年度の取り組み
 次年度へのスッテプのために、1997年の成果と課題について整理とまとめを行いました。個
々の局面での判断や、課題の追求の姿勢に課題を残しながらも、大筋でほぼ順当に研究はなさ
れてきているとの結論に至りました。それを受けて1998年度の取り組みについて検討を行いま
した。その際、私達の目指してきたことは職務に内在する危険性の回避と言う目的でやってきた
が、実態はそれを越えるものとなっていることに気がつきました。なぜなら危険性の回避と言うこ
とだけなら、郵便局にセンタ−長口座が開設された、その時点で回避は完了したと考えるべきで
す。正に校長会があの時点で判断したことです。しかし、私達が行ってきたのは顕在・潜在の双
方に跨る危険性を予測し、それを防ぐためのシステムの確立と変更を求めるもので、その実現
のために組織として取り組むと言うものでした。言わば私達の仕事における危機管理と呼べるも
のだと考えました。そこで、1998年度の取り組みを「学校事務における危機管理の取り組み」と
しました。つまり危険性の回避から危機管理へと研究内容に質的な変化が与えられたと言えま
す。
 さて具体的に何に取り組んでいくのかは、当然昨年解決しなかった課題です。給食費・就学援
助費、加えて給与の問題もやはり、危機管理上見逃せない課題です。現金配送や給料日と行事
の関係などが具体的には挙げられます。それらをどのような手法で実践するか以下のように確
認しました。
1,基本的には昨年の手法を踏襲する。
2,給食費については今年度民間金融機関利用の学校の直接払いを推進する。
3,就学援助費については事務能力上の何が障害になっているのか、担当者間での話し合いの
 場を設定し、具体的に話し合う。
4、給与については実情がどうなっているか明らかにする。
 早速5月の「給食担当者会議」で新しい給食センタ−長に昨年までの経過を再確認すべく、要
望書を手渡しました。センタ−長はこの点について何も引継がなされていない旨述べただけで、
それ以上のことには言及しませんでした。同様に校長会事務局に対しても「危機管理に関する
要望書」(資料3)をもって申し入れを行った。しかし、校長会もまた現金搬送が解決している今、
昨年程の危機感は見られませんでした。
 このままでは事態の進展が図られないため、組合に呼びかけて、市教委との話し合いの場、
つまり教育長交渉をもってもらうことにしました。交渉では実務者間の話し合いを持つことが確認
され、98年の研究は具体的に動き出しました。
 給食費については民間金融機関扱いの学校の給食費支払いまでの流れを具体的に調査した
ものをもって、センタ−長との話し合いに臨みました。センタ−長は昨年までの話し合いを更に
発展させること、及び千事協が話し合いの当事者であること、この2点さえ認めず話し合いは不
調に終りました。しかし民間金融機関にセンタ−長口座を開設することについての調査を行うこ
とまでこぎつけました。
 次に市教委と「保護者への就学援助費の直接払いは、いつから実施できるか」を話し合いま
した。しかし、市教委は何が実施のネックになっているのか、明らかにしようとしないばかりでな
く、逆に以下の2点について新たな確認を求めてきました。
 1,直接払いで生じるであろう、修学旅行費・教材費の未納の問題の取り扱い。
 2,直接払いは学校全体の意向であるのか。
過去の話し合いで一度も触れたことのない問題を持ち出してきた市教委の説明に、私達は不信
を持たざるを得ませんでしたが、追求することはせず後日検討することとして、話し合いをおえま
した。その後すぐに今度は給食センタ−長から、先の調査についての返答がありました。
 現在、民間金融機関で振替えた給食費は千信本店まで各々の金融機関の好意で無料の現
金搬送がされている。センタ−長口座を設けた場合も同様な無料搬送が将来に亘って行われる
何らの保障がないので、この件については困難であるとこれが回答でした。 
 このように給食費・就学援助費共に話し合いが行き詰まり、問題の整理を行うことで今後の対
応策を決めることにしました。
 1,民間金融機関にセンタ−長口座を開設していくことは今後も要望していく。現在可能なこと
  として、センタ−長口座が既に開設されている千信本店で保護者口座からの直接払いがで
  きるか検討する。
 2,就学援助費について、直接払い即未納の増加に直結するかどうか調査を通して明らかに
  する。
 就学援助費の調査結果では25校の内、相殺を行っていない学校が16校ありました。未納に
関しては事実上直接払いと変わらない実情にあると私達は見なしました。また16校で学校全体
の未納額に占める就学援助受給家庭の未納率は最高で0,7%でした。
 これらを踏まえて、私達は再度教育長交渉を持つことを決めました。前回打ち合わせが不充
分だったことから、書記長・事務職員部長と千事協研究部2名で綿密な打ち合わせを行いまし
た。その内容は
 1,交渉内容は「給食費における事務改善」「就学援助費の支給事務改善」の2点のみとし、
  他の支会の問題と混えない。
 2,給食費で交渉することは、話し合いの当事者が給食センタ−であることの確認。
 3,就学援助については、未納は各学校で充分取り組める内容であるので、直接払いを実施
  すること。
 交渉で教育長は「給食費納入事務は事務職員のサ−ビス業務である」と答えたにも拘わら
ず、同席した給食センタ−長は何らの反応も示しませんでした。これに対するため、千事協では
以下のような具体的行動を行うことにしました。
 1,給食費の問題について校長会で議題にするよう、各校の事務職員自校の校長に働きかけ
  る。
 2,組合として校長会事務局の協力を得られるよう働きかける。
 これらの活動を通して、千事協と給食センタ−が話し合いのテ−ブルにつくことが出来、具体
的な話し合いに入りました。一方、就学援助費についても、市教委担当者と千事協の話し合いを
持ちました。市教委は、未納問題と学校の意向であるかどうかの点に固執し、実施の判断は校
長会の決定を待って行うとの、回答に終始するのみでした。実際に校長会でこの件が諮られ、側
聞するところでは少数の反対があるために、実施は見送ると言う結論に至ったと、各事務職員
は校長から聞かされる状況でした。過去、十数年に亘って実施を約束してきた事実は全くなきも
のにされました。これは市教委と千事協と言う機関と機関のあり方を根底から否定するものであ
り、私達としては承諾できないのは言うまでもありません。早速、前後策を検討し、再度教育長
交渉を持つことにしました。
 その結果、修学旅行費と教材費を除く費目について保護者への直接払いが実施されることと
なりました。千事協が取り組み始めてから十数年、管内では他市町村では既に実施されている
直接払いが、やっと千歳でも1999年春から実施されることになりました。

 5,三点8項目から危機管理まで
 私達が取り組んできた課題が何故整理されるべき課題なのか、三点8項目の三点目に該当
することは既に述べましたが、では何故三点目は整理されるべき課題なのか、私達はこう考えて
います。端的に言うと、委任依頼業務は私達が責任を持てない業務であるからです。給食費に
ついて言えば、まずその金銭業務の責任の所在が明確にされていないことです。現に市教委は
業務技師の外勤で多額の金銭業務をさせないよう指導しています。危険だからと言う理由で。そ
の一方で他の学校職員が多額の現金や、払出伝票を持ち歩くことについては当然のこととして
います。しかし、これが整理されるべきとする主要な理由ではありません。一番の理由は学校は
給食実施の主体ではないからです。つまり負担と受益をしている保護者に対して、バランスシ−
トや未納がどうなっていてそれは誰が負担しているかなど、学校は一切説明できない立場にあり
ます。私達は何一つ知らされないまま保護者が給食センタ−に給食費を納入する、その通過点
で手渡しの役をしているだけなのです。意図しないまま、督促状を子どもに手渡し、子どもの利
益に反することをしているとは言えないでしょうか。奇しくも今年2月石狩市では、督促状を子ど
もを通して渡すことは望ましくないことであるとされ、実施を撤回しています。これが委任依頼事
務の持つ本質と私達は考えています。だから本来責任の持てるところで業務を行うべきと考えて
いるのです。
 就学援助費についても同様のことが言えます。子どもに支給の案内を手渡している現状。支
給事務と子どもの学習権保障は別個のことであるのに。私達が学習権保障のためにしなければ
ならないことは子ども一人一人の状況に応じて適切な援助ができるよう働きかけることであり、
そのためには他の職員と協同して働くことが必要になってくるのだと思います。学校にある業務
のうち学校が主体的に責任を持って行えない業務は責任のある処に返す、3点8項目の三点目
の根拠がここにあります。しかし、この間の千歳の取り組みはこの三点目を起因としながら、こ
れだけには収まらない取り組みになっています。その一つに、子どもの利益を視野に入れている
点です。(督促状・通知書)更には、機関と機関のありかたそのものを研究の対象としていること
です。例えば話し合いを打ち切らない手法であるとか、要望のもって行き方、機関の持つ特性に
沿った役割の分担など、方法そのものが研究の対象となっています。なぜこのような取り組みに
なったのか。やはりそれは時代の要請と言えるものだと思います。
 子どもの利益一つとっても「子どもの権利条約」があって始めて意識されるものです。また、給
食費の決算を知らされることもなく業務を行うのは、この情報公開の時代にそぐわないものであ
ることなど、危機管理の取り組みは昭和56年の3点8項目を父とし、時代の流れを母として生ま
れたといえるのではないかと考えています。
 とはいえ、バックボ−ンである三点8項目の精神も充分に生きています。つまり、三点8項目
では自らの職務として創造すべき課題(1,2点目)とその創造を保障するために整理されるべき
課題が表裏一体で語られていますが、千歳市の研究もまた整理すべき課題としての給食費・就
学援助費、そして職務として創造すべき情報の研究をその一方の手で行っています。一見何の
関係もないように見える、給食費や就学援助費と学校における情報の扱いはどうあるべきかは、
職務確立という根元的なところで繋がっているのです。また、どちらも子どものプライバシ−を保
護すると言う、その1点でも同一であります。これは私達の仕事ではないと拒否する一方なので
はなく、子どもの学習権保障や、知る権利の保障などをより豊かに学校現場で展開し、定着させ
ていくために整理があります。最近はますます行政からの調査や依頼事務が増加し、事務職員
が実務に忙殺され「自主性と創造性あふれる学校事務」(石狩の研究課題)を実践できない状況
が生まれてきているのではないでしょうか。危機管理の取り組みは、自分たちの自主性と創造性
を自分たち手に取り返していく取り組みの一つであるかも知れません。
 中教審で言われている「特定の学校に複数の事務職員を配置」することや「センタ−的組織」
で学校事務を行うとは全く反する取り組みです。学校には事務職員がいてその学校の教育環境
に責任を持つ存在であり、そうありたいと。

6,まとめに代えて・・・千歳でできたことできなかったこと
 今まで、石狩及び千歳の取り組みを述べさせてもらいましたが、このような取り組みは、(何で
もそうですが)その地域の持つ特性を無視しては考えられません。石狩は、協議会の組織は単
一であり、加入率も高く、同時に組合も一つであり協議会の構成員の殆どが組合員という状況に
なっています。これは、何といっても二つの組織の意志の疎通がスム−ズに通じる状況をもたら
しています。また、給食の実施機関も単一の教育委員会が行っており、話し合いの相手はいつ
も同じです。北海道の中には、組合立の給食センタ−もあり、話合いの相手を特定するのも難し
い場合もあると聞いています。また千歳のように事務職員が数年で異動して他市町村に行くた
め、話し合いの実績がなかなか継続せず、簡単に反故にされることもありました。これが同一市
内だけの異動であるなら、状況は違っていただろうと思います。今回の千歳の実践は、そういう
千歳と言う土壌の上で行われたものであり、他市町村でこの手法が必ずしも有効とは言えでしょ
う。
 しかし、私達を取り巻く状況はここ数年安閑としていることを許してはいないように思えます。
中教審答申にも見られるように、学校に必ずいなければならない職員であるのかどうかが問わ
れてきています。その問いに私達はどうやって答えることができるのでしょうか。千歳で行った取
り組みが、数ある答えの一つのステップになることを願っています。子どもによい教育環境を作
っていくための学校事務の実践を積み重ねていくことが、この閉塞的な状況を変えていく力にな
るのではないかと考えています。力となる実践を支えていくための、集団的な取り組みの一例と
して今回の取り組みを見て貰えれば幸いです。その土壌、土壌に合った手法で常に子どもを視
野に入れた実践を交流し合う時、千歳がもっとできたこと、できなかったことを私達はまた、全道
から学ぶことが出来ると考えています。














資料1

                             平成  年  月  日
各位
   

千歳市公立小中学校事務職員協議会

会 長   樅山 勝彦

             申 入 書


 初秋の候となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。日頃、当協議会の活動に対しご理解と
ご支援をいただき深く感謝申し上げます。
 沙汰、この間千歳市公立小中学校事務職員協議会(千事協)では学校事務運営に関わる懸
案事項として、3点についてその改善策を模索してきました。この度その具体案を以下のように
まとめ上げました。
 現在、いじめ・不登校など学校を巡って様々な課題が山積しているのはここに言を待つまでも
ないことと思います。千事協も、また子ども達にとって安心して学び、あそぶことのできる学習環
境を、他の職員と力を合わせて作り上げることを目指してきました。そのために学校事務の業務
を合理的なものとすると同時に児童生徒の学習環境をより相応しいものにすることを目的に、論
議を深めてきました。
 つきましては、ご検討の上趣旨をご理解いただき貴団体からも関係機関に働きかけていただ
きたく、お願い申し上げます。



資料2

「学校給食費取扱い」について (学習会資料)
                           97,9 千歳支会事務職員部 

 学校における金銭の取扱い及び管理については、以前より指導、通知文書等が出され適正
化、指導の徹底化が求められているところです。
 千歳市においても、全学校で適正化に取り組んでいますが、「学校給食費の取扱い及び事
務」については「学校給食実施の主体である給食センタ−」ではなく学校(学校長)
に委ねられている状況にあります。
 
 このことは
  @金銭取扱い(現金扱いだけではなく)関わる安全上、管理上の問題(危機管
理) 
  A年度始めの「台帳作成事務」、毎月末の「給食費納入事務」、滞納者に対する「督促事
務」等々担当する学校職員に非常に負担がかかっている状況(勤務条件)
  B学校等、多くの手を経由することによりプライバシ−の侵害(個人情報保
護)
等々多くの問題を含んでいます。


 石狩管内ではすでに、保護者より学校給食センタ−への直接納入が実施されている市もあ
り、上記の点を考慮し学校を経由せずに保護者が直接納入できる体制 を千歳市においても早
急に作ることと、事務処理についても適正化が図られるよう 千歳市教育委員会、校長会等関係
機関に働きかけを行うことことが必要と考えます。


 「給食費の取扱い」については各学校で異なっていますので、「学習会」を開催され、分会員
善因の共通理解と、実現に向けて意識の統一を図っていただければと思います。


  給食費取り扱いについて

<本校の現状>
(例月)保護者学校ちしんセンタ−
        現金徴収    現金渡し
      (含む学年費、PTA会費)

(年度末)保護者学校ちしんセンタ−
        現金      窓口へ

<センタ−案>
保護者学校長名義口座ちしんセンタ−
    振込(手数料負担)    振込(手数料、市で負担)
 
問題点 @学校長名義の口座をどこに開設するか
         ・保護者への説明、決定(誰が?)
         ・保護者の利便性
         ・書類等手続き(誰が?)
         ・振込手数料−金融機関との折衝(誰が?)
                郵便局は1件10円
    A現金扱いはなくなるが、事務処理は残る。
         ・台帳作成
         ・振込確認
         ・学校口座からの振り込み事務
         ・催告(督促)
    B学年費、PTA会費の徴収をどうする。
         ・現在の所管  学年費  −教務
                 PTA会費−PTA



資料3

平成  年  月  日

千歳市公立小中学校事務職員協議会

会長  樅山  勝彦


        様

危機管理に関する要望について


 緑が目にしみる侯となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。日頃千歳市公立小中学校事務
職員協議会(千事協)の活動に対しご理解とご支援をいただき深く感謝申し上げます。
 さて、昨年来私達は「学校における危機管理上の諸問題」について焦点を当て学習・研究を
深めて参りました。中でも「給食費の取り扱い及び事務」と「就学援助費の支払方法」の二点に
ついて重要課題として取り上げ、関係機関と協力・協議しながらより良い方向を求めてきたこと
は、既にご存知のことと思います。昨年は多くのご助言、ご協力をいただいたことについて、ここ
であらためてお礼申し上げます。
 その結果、「給食費」については、郵便局振替の学校での現金搬送の危険性を回避すべく手
だてが取られたところです。しかし、学校で金銭を取り扱うことの危険性それ自体は依然として
残されています。また督促状を直接子どもに手渡すことが子どもと教師あるいは、子ども同士、
親と子の関係に微妙な影を落としていることは否めません。児童生徒を巡る指導上の問題が山
積している現在、この問題は早急に解決することが急務と考えております。
 次に「就学援助費」については教育委員会業務として保護者に直接支給されるべきものです
が、千歳市では学校に委任されており、学校長口座に全額振り込まれた援助費を学校が保護者
に支給している現状にあります。学校では保護者の口座に振り込むため複数行にわたる現金の
搬送、あるいは現金払いを行っている学校での現金の保管、通知文書の直接手渡しなど、危機
管理上の問題点が多く含まれています。それらの点から他市町村では既に教育委員会から保
護者への直接払いが実施されており、千歳でも早い実施が望まれます。
 最後になりますが、危機管理の点から「給与の受領・支給」事務についてもいくつかの課題が
あります。現在給与の支給・受領は給与取り扱い責任者である学校長に権限が委任されていま
すが、事務職員が担当している学校が大多数です。強奪・盗難が増加している中、北海道教育
委員会の指導にも関わらず金融機関では、学校への「配送中止」を決定し、「窓口での受領」を
求めてきています。「受領旅費」が措置され、「複数による受領」等通知はされていますが、今日
の危機的状況の中では事実上「無防備状態」と言っても過言ではありません。それらの解決の
ためには法的な整備が必要であるのは勿論です。しかし、給与の支給日に対外的行事や部外
者が多く出入りする校内行事を組まないなど出来うる限りでの安全性の確保が必要とされてい
ます。
 私達は「危機管理の改善」が仲々進まない今、関係各機関と協力の上、具体的な方策を進め
ていきたいと考えています。これらのことに対し今年も又、下記の3点について、昨年に変わらな
いご理解・ご協力をいただけるようお願いいたします。


1 保護者から給食センタ−への事務処理も含めた形での、給食費の直接払いの実施。

2 市教委から保護者への就学援助費の直接払いの実施。

3 給与の取り扱いについては、出来うる限りの安全性の確保。

 

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