第1回  パラジクロロベンゼン
基本情報
別名:1,4‐ジクロロベンゼン、パラジク、PDCB
化学式:C6H4Cl2
分子量:147.0
沸点:174℃
融点:53℃
比重:1.2
水への溶解性:水に溶けない
蒸気圧:1.33kPa(55℃)
       170Pa(20℃)
相対蒸気密度(空気=1):5.08
20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空気=1):1.01
引火点:66℃(C.C.)ALTT
オクタノール/水分配係数:3.37
毒性及び危険性
火災
 可燃性で、火災時には有毒なヒューム・ガス(ホスゲン・塩化水素など)を発生します。また、酸あるいは酸性のヒュームに接触すると有毒なヒュームを生じます。このため、火気や強酸化剤に近づけないなどの注意が必要です。
爆発
 66℃以上になると爆発性混合気体を生じることがあるので、高温環境下での取り扱いは厳禁です。
暴露による身体への影響
 身体に対する暴露の経路は蒸気の吸入や経口摂取による吸収です。この物質が20℃以上になると気化し、空気が汚染されてゆっくりと有害濃度に達します。
 短期暴露の場合は、この物質の蒸気によって眼・皮膚・気道を刺激します。また、血液と中枢神経系に影響を与え、機能障害・溶血性貧血を生じることがあります。この場合は医学的な経過観察が必要となります。
 長期又は反復暴露の場合は、肝臓・腎臓・血液に影響を与え、発がん性を示す可能性があります。
 毒性に関する研究では、イタリアの研究のラットを使った試験で高濃度投与により肋骨数異常が認められたほか、日本でも1996年当時の労働省が日本バイオアッセイ研究センターに委託した発がん性試験でマウスでの発がん性が認められ、労働者保護の指導がなされました。しかし、1997年の厚生省の検討会では、発ガン性はマウス特有なもので、ヒトに対する発ガン性を認めず、耐容平均気中濃度を100ppbに設定しました。(後にこの指針値は40ppbに下げられました)横浜国立大学の研究では、工業地帯や国道上よりも、室内特にトイレでの検出値が高く、140gの芳香剤をトイレに1個つるしたところ、その日のトイレ内の検出値が1955ppbであったということです。1000ppbの汚染空気から成人が1日に取り込むパラジクロロベンゼンは約90mgにもなります。この汚染された気体はさらに、室内のストーブや台所の火気によってダイオキシンが生成される可能性もあります。
 耐容平均気中濃度は40ppbですが、発がん性とは違い化学物質過敏症の人にとってはこの指針値以下でも反応が起きる可能性は否定できません。健康な人には無関係というものではなく、すべての人に少なからず影響を与えているのです。 
このようなものに使われています。
● トイレタリー(トイレ用芳香剤)
● 衣類用防虫保存剤

注)上記に挙げた物品すべてにこの物質が含まれているということではなく、一部の物品に含まれているということです。正確には商品の表示を見て確かめてください。
子どもたちのためにできること
 まずは予防原則の立場に立ち、使用しないのが一番です。でも、なぜパラジクロロベンゼンを含む物品は上にあげた毒性にもかかわらず使われてきたのでしょうか?おもな学校での用途はトイレタリーです。パラジクロロベンゼンは有機塩素系の昇華性結晶体で芳香があるため、トイレの臭い匂いを消すために使われてきたのだと思います。
 では、トイレの匂いは芳香剤に頼らずどうしたら消せるのでしょう。換気をはじめ、いろいろできることはあると思います。E別市の学校では、EM活性液を使ったトイレ清掃を実施しています。詳しい内容については「子どもの健康と環境を守る会」のWebサイトに紹介されています。
「子どもの健康と環境を守る会」のWebサイトへ
資料提供・協力:「子どもの健康と環境を守る会」
資料出自:「国立医薬品食品研究所 化学物質データベース」
「農薬毒性の事典」「農薬毒性の事典・改訂版」三省堂

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